十勝千年の森 / Tokachi Millennium Forest

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所在地北海道清水町
期 間1996〜1998 2004〜2008
面 積400ha
発注者株式会社十勝毎日新聞社
業務領域環境調査、基本構想、基本計画
基本設計、実施設計、現場監理
協 働ダン・ピアソン(植栽計画)
象設計集団(建築計画/設計)

IFLA AAPME 2018 (国際造園家連盟アフリカ・アジア太平洋・中東地区大会)
Wildlife, biodiversity, habitat enhancement or creation部門 - 最優秀賞(Outstanding Award)

未来へ遺す、未来へ引き継ぐランドスケープ



十勝千年の森は日高山脈の山麓に広がる400haの環境に富んだ敷地である。地方新聞社が事業で紙を用いる事からCSRとしてカーボンオフセットに取り組むため森林を購入したところからこのプロジェクトは始まった。

4つの柱「森」「庭」「農」「アート」


現在の多くの人があるがままの自然を生身で体感するのにはある種の障害を持っていると考え、ガーデン、アートというプラットドームをもうける事により、より自然へ入りやすくしようと考えた。一方で、自然との関係で成り立つ「農業」にも着目し、新たな自然農業のありかたや、地産地消にとりくむこととした。

スローディベロップメント


自然環境に対し一度に大規模に整備して行く事は、望ましくなく、事業としても難しい。そのため、環境整備(間伐、下草刈りなど)などをしながら、基盤としての環境のポテンシャルをゆっくりと時間をかけ、上げていきながら、レストランなど集客施設を整備し収入源としながら整備を10年にわたって行って来た。

北の庭園文化の創造


ガーデンはその土地の風土を表すものだと考えている。北海道には京都の日本庭園やイングリッシュガーデンはあわない。北海道という自然、営みだからできるガーデンをつくり出し、そこから文化を創造して行こうということに取り組んだ。「北の庭園文化の創造」である。
その場所にあったガーデンとして「アースガーデン」「メドウガーデン」「ファームガーデン」「フォレストガーデン」を軸にして整備をしていった。
「アースガーデン」では北海道らしいスケールで5haもの敷地に大地の大きなうねりをつくり出し、その陰影や人々の動き、シークエンスを楽しむ事を目的として整備した。微妙な起伏を検討するため15m角の大規模な模型を用い検討を行った。「メドウガーデン」では、綿密な試験植栽を行いながら、自然の植物を際立たせるような植栽方法を用いた。「フォレストガーデン」では、徹底的な下草刈り、間伐により、草花を増やして行く「マイナスのデザイン」を用い、ガーデンのような森をつくり出している。
これらの施設整備を元に、森の中でのウエディングやSegwayや馬による自然観察など多彩なアクティビティが展開されて行っている。
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